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【日本歯科新聞】さじかげん (158)「歯科技工という仕事」

 書類等を切る時、切り取り線に従って、一度折り目を入れてから切り分ける人は、仕事ができる、できない、から判断すれば要領が良い人と言えるだろう。

 それと同じで、歯科技工の仕事はロー着作業をみると、その技工士の要領が分かるといわれる。技術と経験と要領がモノをいうロー着だが、昨今のデジタル技工で随分とその苦労が軽減された。

 だが、デザイン担当者に聞くと模型をスキャンする時に支台歯の浮き上がりがないかなどの案外アナログ的な要素が大切だというから面白い。

 時代の流れによる浮き沈みはつきもので、一世を風靡ふうびした職業といえどもその流れには抗えないと言えよう。

 歯科技工についてもさまざまな角度から将来の技工士不足が懸念され、学校の閉校や定員未充足、歯科技工士の高齢化などがその理由に挙げられている。しかし、20歳代の70%を超えていた離職率については近年改善の兆しが見られると聞いた。

 各方面で地道な努力がなされているのだろう。なんとか若い世代にも頑張ってもらいたい。

 感覚的なものだが、歯科技工の現場では1日の仕事の2割から3割近くは技工の直接作業ではなく、支援作業だと思う。

 歯科医師、歯科衛生士には、歯科助手がいるように、歯科技工士にも歯科技工士助手がこの支援作業を務めてもらえるとぐっと作業効率が高くなる。

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