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【日本歯科新聞】さじかげん (169)「長生きの入れ歯」

 芸能人が病気にかかったりすると、ワイドショーや雑誌でその病気の症状から具体的な治療法までが詳細に報じられることが多くなってきたが、有名人が総入れ歯になったという話題はあまり耳にしない。イメージが関係するのかもしれないが、日本はこれからますます高齢者の絶対数が増え、義歯の患者は多くなるだろうから、入れ歯の情報のニーズはあると考えている。

 命に直接関わるなど世間の関心が高い病気は予防法も含め、自然と世間の情報も多くなるが、日々の暮らしを守っている歯科の情報に関してはまだ手薄。患者は歯科医療によって食べる幸せも享受できるのだから、予防が注目される現代は歯科医療の情報こそ必要なのだ。健康長寿には身体の骨格筋が重要だと言われるが、この骨格筋をつくるために栄養と運動と休息が必要で、栄養を取るために咀嚼嚥下は欠かせない。

 2、3年前に肺炎が高齢者の死因の上位3疾患に浮上した。いわゆる誤嚥性肺炎だ。80歳以上に顕著で、高齢により筋力が衰えたことで嚥下時に口蓋に舌を押し当てる圧も弱くなり、だらだらと食べ物が気管に流れ込んでしまうという映像を見た。通常はそこでむせて誤嚥を防ぐのだが、筋力が衰えるとそれもできない。

 実はその時、同時に口蓋部分を厚くして弱った舌圧をカバーすると生理的に嚥下ができて誤嚥を防げるという映像

 も見た。これは全国の高齢者施設で役に立つだろう。ぜひとも介護職の方をはじめ、多くの国民、歯科医師、医療関係者に見ていただきたいものだ。義歯からもロコモティブシンドローム(運動器症候群)の改善に貢献できる可能性があることを示している。

 知らせるべき事実がある時、情報の発信がカギを握る。われわれの歯科技工業界も含めて歯科界は今以上にさまざまな、そして具体的な歯科治療法を情報として一般に公開すべき時代を迎えているのだ。(W/W)

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