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【日本歯科新聞】さじかげん【番外編】『歯科技工所の喜び』

鰐淵 正機
(和田精密歯研常務取締役)

 インターネットの普及率は60歳代で約7割、70歳代で約5割に上り、今や生活に不可欠となっている。近ごろは一般の方がネットで得た情報をもとに歯科技工所へ直接電話をかけてきて「歯科医院を紹介してほしい」「義歯で困っている」「インプラントについて教えてほしい」などと尋ねてくるケースも見られる。年齢的には、高齢者が圧倒的に多い。

 近年では若い歯科医師からの補綴に関する相談も増え、歯科技工所は古い時代の下請け的存在からパートナー的な存在に移りつつある。クオリティーの高い義歯では経験豊かな歯科技工士の技術がその一翼を担っている例を見る機会も多い。インプラントや審美の治療がどんどん高度化していくと必要となる技術も複雑となるため、より専門的な歯科技工士が必要となる。

 特にデジタルを活用する治療の範囲ではその傾向が顕著で、補綴治療は歯科技工所の持つ数千の情報量に価値を認める歯科医師との共同作業となってきている。従って歯科技工士は歯科医師と同じ専門的領域の知識の習得が必要となる。

 補綴治療の結果は個々の症例ごとに違うのでやってみなければ分からない側面がある。歯科技工所では、補綴物の修理の相談を受けた時がそれにあたる。もどかしいところだが「直せるかどうかはやってみなければ分からない」では、チェアサイドで速断を要する場合に役立てないだろう。

 ただし、歯科補綴を大きな枠として歯科技工所の持つ情報をデータバンク的な感覚で捉え、近年デジタル化された技工内容に歯科医師が有用とする分野のインプラント・矯正の治療工程の計画や設計におけるセカンドオピニオンのように利用していただくのは、患者に対する情報の質を高めるのに有効で、歯科技工所としての喜びにもなる。最先端を行くIT企業は既にここに目を付けているように思う。(W/W)

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