SUPER
TECHNICIAN
スーパーテクニシャン(歯科技工士紹介)
川田 恭平 Kyohei Kawata
歯科技工士を目指したきっかけ
高校を卒業して、特に何も考えることなく就職し、2年間社会人として働きました。働くなかで、学生時代よりも社会に出てからのほうが自分のため、生き抜くために勉強をしないといけないと気付かされ、学校でまた勉学に励みたいと思っていました。
自分に向いている仕事とは?と考えていた時に、まず「人のためになる仕事」に就きたいとは思っていましたが、単に人のためになる仕事といっても数百種類ありました。
そんな中、私は工業高校を卒業しているので、金属や材料学などの知識をこのまま使わないのはもったいない、この知識を使い「人のためになる仕事」をしたいと調べていたら、「歯科技工士」という仕事に出会い「これだ!」と感じて専門学校へ入学しました。
入社当時の思い出
当時、フィット部門に配属され、右も左もわからないまま、がむしゃらに仕事をしていたことを思い出します。私は特にスピードが遅く、マージンを削りすぎてしまうなど、諸先輩方やOJTの先輩にたくさん迷惑をかけてしまいましたが、そんな中でもフォローや、優しく教えてくださり、またある時には私のために叱咤してくださり、当時を思い返せば感謝し尽くせないほどいろいろなことを教えていただきました。
その中で、もっと上手になり恩返しがしたいとOJTの先輩に言ったところ、「僕に恩を返すのではなく、これから入ってくる後輩に同じことをしてあげなさい」と言われたことは今もずっと胸に残っています。
スーパーテクニシャンを目指したきっかけ
当時のスーパーテクニシャンの方々は、知識、スキル、人間性をあわせ持つまさに雲の上の方というイメージがありました。
そのようななか、私はポーセレン部門に配属になり、考え方が一変しました。それまでは、レジン担当者として色、形態などに一定の自信を持っていましたが、求められている「質」にまるで歯が立たず、研鑽する日々が続きました。また逆に「技工」にどんどんのめり込み、厚さ1mmの中に色を出す魅力に魅せられ、技工が楽しくなりました。
そして上司の薦めもあり、自分もスーパーテクニシャンになりたいと思い目指しました。
歯科技工士になってよかったと思う瞬間、エピソード
ファイナルの工程を担当しているので、先生や患者さんにお会いする機会が多い中、私たちが呼ばれる時は、対応が難しいケースの場合が多いです。
その中でも、患者さんとシェードテイクとヒアリングをし、先生と衛生士さんとカンファレンスをおこない、無事にセットされた時に患者さんに何回も「ありがとう」と言われ、また先生や衛生士さんに「お疲れさま!ありがとう!」と言われると今までの疲れは全部なくなります。このような場面に携われる立会いはとてもやりがいを感じますし、技工士になってよかったと思います。
さらなる目標、夢
入社してから今まで15年がたちますが、昨今では従来の歯科技工のやり方以外の『デジタル技工』やジルコニア補綴の需要が急速に高まるなか、時代の流れに柔軟に対応する知識、技術の習得も当然大切です。
しかし『きれいな歯』というのは一様にただ白い歯ではなく、患者さん一人ひとり違います。シェードテイクや試適立会いに行かせていただくと、デンタルIQの高い患者さんも多く、要望の多様化を感じることが多いです。その中で、作り手の歯科技工士が率先してチェアサイドに立ち、先生方とプランニングをしながら患者さんのニーズに応えることが、患者さんの『口福』につながると思っています。
また、補綴治療のみではなく、『補綴はあくまでファイナルレストレーション』一人でも多くの患者さんに寄り添い、患者さんの望む可能なかぎりの治療をおこなうための、矯正、外科治療などの補綴前処理などの総合的な提案もお届けできるようこれからも一層努めてまいります。
休日の過ごし方
夫婦2人の時には、夏は登山をし、富士山などにも行き、その土地で美味しいものを食べ歩き、冬はスノーボード、春秋はゴルフとアクティブに外に出かけていましたが、今は小さい子供がいるので、近くの公園に行ったり、家の庭でBBQをしたりしてのんびり過ごしています。
子供が小さな時は一瞬とよくいいますが、その限りある時間を一緒に過ごせることが私の一番のリフレッシュになっています。
また、空いた時間には趣味の読書をしています。読書は活字を読むことで脳が活性化され、想像力も豊になります。心をリセットして仕事に臨むようにしています。
後輩やこれから歯科技工士を目指す方々へメッセージ
近年、歯科技工業界においてもデジタルが普及していますが、現在のCAD(computer-aided design)は、あくまでもコンピュータで支援です。やはり作業をおこなうメインは「人」であり歯科技工士なので、これからも歯科技工士としての「従来」の知識と技術は必要不可欠です。日々の一つひとつの努力の積み重ねが大切だと感じています。
しかし、業界全体のデジタル化はさらに加速していく可能性があります。デジタル化のメリットは、時間やお金、人などさまざまなコストを削減できること、そして何より正確な技工物を作れることです。また、デジタル化が進むと歯科技工士は削ることや、パターンを作製することも必要ではなくなる、そんな働き方がすぐそこまで来ています。
日々、変化と進化を続けるこの業界では、常に新しい情報を取得し「新しい」知識と技術を身に着けることも非常に大切です。そんな歯科技工士として一緒に働いてみませんか?
PRODUCT 歯科技工物紹介
PORCELAIN WORK
PROFILE プロフィール
岡山ラボ
川田 恭平 (カワタ キョウヘイ)- 1985年
- 広島県 生まれ
- 2008年
- 笠岡歯科技工専門学校 卒業
- 2008年
- 和田精密歯研株式会社 入社
- 2023年
- スーパーテクニシャン 認定
所属学会
- 日本顎咬合学会