SUPER
TECHNICIAN
スーパーテクニシャン(歯科技工士紹介)
竹中 進 Susumu Takenaka
歯科技工士を目指したきっかけ
物を作ることが好きだったので、美術大学への進学を考えていましたが、進路相談で先生と話をしているうちに専門学校という選択肢が出てきました。そんなときに、偶然、親戚が歯科技工士を目指していることを耳にしました。当時は“歯科技工士”という職業を知らなかったので、どんな仕事だろうと調べてみたことが始まりです。そこで興味を持ち、父の通院している歯科医院の先生にお願いして、医院の取引先のラボを見学させてもらうことになりました。当時は、長時間残業が当たり前で、給料も安い、そしてとても綺麗とはいえないところで汗だくになりながら働いている様子を見て、良い環境だとは思えませんでした。しかし、一つひとつ手作業で一生懸命作っている光景が頭の中から抜けず、環境よりもやっていることが気になり、歯科技工士になることを決めました。
入社当時の思い出
学生のころに実習で習った時から矯正に興味がありました。入社後も矯正部門に配属され、自分の希望したところで働けて毎日とても充実しています。入社当初、先輩方にはとても丁寧に詳しく指導していただきました。叱られることも多かったですが、面倒見がよい先輩方のおかげで辞めたいと思ったことは今まで一度もありません。あえていいますと、とにかく電話が苦手で、電話が鳴るたびにビクビクしていました。電話に関して一度大きな失敗がありました。昔の固定電話で聞き取りにくく、訛りの強い先生だったこともあり、何度も聞き直すことができず、わかったふりをして対応した結果、大変なことになったという思い出があります。
スーパーテクニシャンを目指したきっかけ
上司からの薦めです。
ちょうど会社としても矯正に力を入れている時期だったこともあり、上司から後押しをしていただきました。テーマを与えられると自分が成長できる糧になると思うので、気持ちとしては前向きでした。
また、私の場合は、実技試験は矯正、学科試験はデンチャーとクラウンブリッジということで、普段仕事で扱っていない分野の勉強が大変でした。逆にそれも自分を追い込む材料になったので、結果としては良かったと思います。
歯科技工士になってよかったと思う瞬間、エピソード
先生から「適合と使用状況良好です。」という手紙をいただいたことがあります。それがとても嬉しかったですね。
口腔内に装着された時、患者さんや先生から「これは素晴らしい技工物です。」と評価がなされる技工製品と矯正装置は少し違った見方をされます。装置が口腔内で使用開始されたところから治療が始まるため、評価をいただくのは治療が無事完了してからがほとんどにです。
それでも稀にいただく手紙や電話で、タイムラグはありますが「前作ってもらったものすごく良かったよ」というフィードバックは嬉しいです。ただ、「よかったよ」と言ってくださる先生型は印象採得が上手く、良い状態の模型が提供されてきます。
結局のところ、私たちは模型を基準に作っており、模型の精度が良かったということです。印象採得が良かった先に、良い治療が結果として残せていたら仕事の価値が上がります。
さらなる目標、夢
日々作業をする中で、技工の仕事は本当に難しいと感じます。まずは、そんな難しさを当たり前にできるようになることが目標です。そして、その方法や知識を部下や後輩たちと共有することで多能工化を促進していきたいと考えています。
将来的には矯正部門のメンバーの半数以上がラインナップ製品の全般を扱える強い部門を目指し、今の後輩たちが現場の中心で活躍できる環境になっていれば私の夢は完了です。しかし、私もまだまだ後輩たちには負けませんよ。あしからず。
休日の過ごし方
平日はなかなかゆっくりできないので、休日はなるべく妻と過ごすようにしています。
また、釣りが好きなので、釣りに出かけることも多いです。
後輩やこれから歯科技工士を目指す方々へメッセージ
現在、技工士不足が深刻な中、今後も歯科技工士はさらに減ってくると思います。ただ、その中で技工士になるわけですから、技術をしっかり身に付け、“仕事ができる自分”というものを確立していけば会社でも重宝されますし、職場も選べる側になれるのではないかと思います。日本だけでなく世界に出ていくことも可能です。決して優しい世界ではないですし、環境も良いわけではないですが、やろうと思えばどんなところでもできると思います。
そして、部下や後輩たちには、できる限り自分で考え、最後までとは言わないですが、部分部分の判断を個人レベルでできるところまでスキルアップしてくれたらいいなと思っています。
PRODUCT 歯科技工物紹介
ORTHODONTICS WORK
PROFILE プロフィール
大阪センター
竹中 進(タケナカ ススム)- 1973年
- 大阪府出身
- 1993年
- 大阪大学歯学部付属歯科技工士学校 卒業
- 1993年
- 和田精密歯研株式会社 入社
- 2014年
- スーパーテクニシャン 認定
所属学会
- 日本デジタル歯科学会
日本矯正歯科学会
説明会コンテンツ
- 睡眠時無呼吸症候群
主な学会発表
- 2014年10月
- 『プレオルソのプレゼンテーション』 美容口腔管理学会
- 2016年 5月
- 『デジタル技術を応用した矯正治療の一例』 日本デジタル歯科学会
- 2018年 4月
- 『正中離開した患者に対してデジタル診断した情報をもとにセットアップした一例』 日本デジタル歯科学会
- 2021年 4月
- 『補綴前処置のためのデジタルセットアップシミュレーション』(ポスター発表) 日本デジタル歯科学会