先日、香川県歯科医療専門学校さんが当社の本社ビルを見学されました。その際の動画がYouTubeでとても好評です。同校の卒業生である当社の女性社員がフロアを案内し、各所で女性社員にインタビューする形式でしたが、台本もリハーサルもなかったそうです。彼女たちの対応力はもちろん、仕事に対する取り組みの真剣さも実感しました。
私の弟は大阪の開業歯科医で、以前「患者さんの喜ぶ姿を見ると、お金の問題ではなく、この仕事にやりがいを感じる」と話していました。私は、当社だけでなく他社の歯科技工士さんにもよく「今までこの仕事をやってきて一番印象に残ったことは?」と聞きます。そうすると、やはり「立ち合いに行って患者さんの喜ぶ姿を見たり、感謝していただけると、この仕事を選んで良かったと思います。1回の経験でも一生忘れません」と言われます。
しかし先日、ある歯科医師の先生に「先生方は毎日のようにそのような経験ができてうらやましいですね」と話をすると、「それはそうだが、それまでに患者さんと何度も接していると、すべてそうとは限らない」とおっしゃっていました。
確かにわれわれ歯科技工所の歯科技工士は、たまにしか患者さんと接しません。加えて製作者本人が立ち会っている時に文句を言う患者さんもめったにいないでしょう。それゆえに良い印象だけを持って帰ることが多いのだと思います。
歯科技工士の中には、人と接することが少ない職業を求めてこの道を選んだ者も少なくありません。先生方のご苦労を知らずに申し上げるのも図々しいですが、それでもなお、歯科技工士がこの仕事を続け、より良い製品を提供しようとするためには、現場からの声が何よりの励みとなります。
営業員を通じてでも、少しでも患者さんの喜ぶ声を伝えていただければ、技工士がこの仕事を続ける大きな動機になると思います。ぜひともよろしくお願いします。
和田 主実
