SUPER
TECHNICIAN
スーパーテクニシャン(歯科技工士紹介)
若宮 茂 Shigeru Wakamiya
歯科技工士を目指したきっかけ
将来に対して明確なビジョンがないまま過ごしていた大学時代。自分の夢に明確なビジョンをもって邁進する親友の姿がすごく眩しかったのを思い出します。
自分の将来に対する焦りもあったと思いますが、何でもいいから夢中になれるもの、のめり込めるものをと探していたときに現在の妻から教えてもらった歯科技工士という職業に出会いました。学生時代は全く知らない世界の新しい発見の日々にすごく充実していました。
同時に、それまでは考えたこともなかった、差し歯、入れ歯が多くの人々の豊かな生活を支えていること、そしてその一部を支えているのが歯科技工士であることを知り、感銘を受けたことを思い出します。
入社当時の思い出
私が勤めることになった名古屋工場の工場長が歯科技工専門学校の大先輩だったことは、私にとってすごく大きなことでした。当時の上司にはよく食事をごちそうになり、「自分もいつか後輩に奢ってあげられるようになりたい!」と思っていました。
優しい諸先輩方からたくさんの気遣いをしていただいたことは入社一年目で不安な私のモチベーションを上げ、「自分も早く会社に貢献できるようになりたい!!」と気持ちを奮い立たせたことを思い出します。
15年以上たった今でも鮮明に記憶に残る失敗は、入社間もないころ、自分が梱包して発送したケースで模型の支台歯が破折していると朝一番に営業さんからお叱りの連絡を受けたことです。何も考えずに急いで作業していた自分が情けなくて申し訳なくて、どうしようもなく落ち込みました。ただその経験は、今でも自分への戒めとなっています。
スーパーテクニシャンを目指したきっかけ
初めて知ったスーパーテクニシャンは、とにかくオーラが半端なく、右肩につけている赤ワッペンや黒服がかっこいい。といった印象です。実際、スーパーテクニシャンなんて自分には縁遠いものだとつい最近まで思っていましたし、自分が目指すとは思ってもみませんでした。おこがましいといいますか・・・(笑)
そんな私がスーパーテクニシャンを目指すきっかけとなったのは、後輩がだんだんと増えてきて教わる立場から教える立場、見せる立場、示す立場になったことが大きいと感じます。自分の経験から得た知識・技術を後輩に少しでも伝え、自分もスーパーテクニシャンを目指そうと思ってくれる後輩が数多く出てくれると嬉しいです。
歯科技工士になってよかったと思う瞬間、エピソード
まだインプラントに携わったばかりで経験が少なく、自信も全くないころ、その時の自分にできる精一杯の技工物を納品させていただいた郵送取引先の歯科医院様のケースでのことです。納品後も心配と不安な気持ちでいっぱいだったことを思い出します。そして数日後、担当技工士さんへという宛名で一通の手紙が届きました。
「すごく満足のいく技工物でした。患者さんも大変喜ばれていました。ありがとうございました。」という内容でとても丁寧に書かれ、気持ちのこもったお手紙でした。それを目にしたときは正直、嬉しさよりも「無事セットできてよかった~」という安堵感が上回っていたと思います。
純粋に、妥協せず、患者さんのために。今でも忙しくて忘れそうになってしまいそうなとき、そのお手紙は私に大切なことを思い出させてくれます。
さらなる目標、夢
私は今、インプラント技工を専門におこなっています。インプラントは患者さんにとっては外科的処置を伴う、気持ちの面でもお金の面でもとても大きな治療だと思います。そのような患者さん、術者である歯科医師の先生に安心・安全と満足を与えられるよう、これからも研鑚していきたいと思います。
昨今のデジタル化の波に乗り遅れることのないよう、新しいことにもどんどんチャレンジしていくことはもちろんですが、アナログで培った技術をどうデジタルに生かしていけるのか、固定観念に捕らわれることなく、アナログ×デジタルの可能性を具現化できる技工士を目指します。
休日の過ごし方
私は、仕事はもちろん、プライベートの充実をとても大切にしています。最近は大きくなった3人の子供たちのサッカーやバスケットの試合を夫婦で観戦して盛り上がっています。自分がやる以上に熱くなってしまうのが笑えますね。
趣味では、「ドーハの悲劇」世代の私は、サッカーがとにかく大好きで、かれこれ30年近く続けています。今でも社会人サッカーチームで仲間と楽しく、時にバチバチにサッカーを楽しみます。いまだに上手くなりたくて、暇があるとリフティングをして技術を磨いています!
そしてもう一つの好きなことがバス釣りです。これも20年以上続けています。バス釣りは一日に何匹も釣るのがとても難しい釣りですが、おかしな話釣れない時間も含めて大好きです。我慢して我慢して我慢してやっと釣れた一匹の価値、感動は一度知ってしまったらやめられません。
普段机で作業することが多い分、サッカーもバス釣りも広いグラウンド、広い湖で自然と戯れる感じがいいですね。
後輩やこれから歯科技工士を目指す方々へメッセージ
働き方の形が変わってきた昨今、この歯科技工業界も例外ではありません。一昔前のように、どれだけ遅くなっても...根性を出して...だけでは働くことができない時代になりました。
これからの時代は限られた時間の中でより効率的に、より濃密に働く形が必要だと思います。CAD/CAMを活用していくこともその一つです。
しかし技工の道に近道はないと私は思います。たくさん考えて、失敗して、積み上げて、そこから多くのことを学びます。時には歯を食いしばり、苦難を乗り越える経験も必要でしょう。その先には何物にも代えがたい喜び『口福』が待っているのだと思います。
PRODUCT 歯科技工物紹介
IMPLANT WORK
PROFILE プロフィール
名古屋ラボ
若宮 茂(ワカミヤ シゲル)- 1976年
- 愛知県出身
- 2003年
- 岐阜県立衛生専門学校 卒業
- 2003年
- 和田精密歯研株式会社 入社
- 2010年
- 日本口腔インプラント学会 認定
- 2010年
- インプラント専門歯科技工士 取得
- 2020年
- スーパーテクニシャン 認定
所属学会
- 日本口腔インプラント学会