当たりが出たら、その部位をマーキングして転写し、そこを削ることになります。しかし、当たりの原因が義歯が動くことにあれば、やはり咬合のチェックをして咬合の調整をしなければ、何回削っても治らないということになります。当たってもやはり咬合から入るべきなのです。
また、義歯が動くことを前提に義歯の動きを読み、動いた時に当たるであろうところも削ることが大切です。なるべく小さくと思いがちですが、実際の臨床ではそれではクリアーできないことが多いのも事実です。削り足りないより削り過ぎた方が良いことも多いです。この様なことを書くとアバウトと思われるかも知れませんが、私はそう考えます。
しかし、とにかく痛い、当たると言われたら即削るというのは必ずしも正しくはないのです。
話がどうも矛盾しているように思われるかも知れませんので付け加えます。
咬合時義歯が動くのであれば咬合の改善をしなくてはなりません。もちろんそれには軟化パラフィンワックス臼歯部咬合法が簡便で確実と私は考えます。
どんなに適合良く製作しても義歯は動くものです。その動きに合わせた調整が必要です。
写真をご覧ください。
![左で噛むと右が痛いというケースです。まずは口腔内で当たっている部位を、デンフィットという適合試験材料でマークして義歯に転写。](https://labowada.co.jp/wp-content/uploads/2023/02/16-1.jpg)
![常はそのマーク部位のみを削るという処置・調整をしますが、マジックラインの様に放射状に削らないと動いた時の当たりは改善しないこともあります。](https://labowada.co.jp/wp-content/uploads/2023/02/16-2.jpg)