昨今、どの年代でもネット情報を見る比率が高まっていることは間違いありません。2023年度の新聞通信調査会の調査によれば、「メディアの信頼度」において、40代と50代を境にテレビと新聞の順位が逆転し、高齢層においてはNHKを含むテレビメディアが新聞よりも高い信頼を獲得しているようです。
かつてNHKが歯科インプラントに関する消費者苦情の急増を報じると、業界に大打撃を与え、長らく影響が出ていました。当時、「美容関係の苦情総数からすると微々たるものなのに」と憤慨したことを覚えています。
ただし、SNSの普及などで若者を中心に「テレビ離れ」が起こり、テレビの影響力も昔に比べると、低下しているとも言われています。ネット情報の真偽は玉石混合の極みですが、特に若年層は大手メディアだけに左右されることが少なくなりました。
多忙を極める歯科医師の皆さまにとって、新聞は今なお貴重な情報源となっているのではないでしょうか。一覧性に優れた新聞は、ひと目で異なる記事の見出しが目に飛び込んできて、簡単に情報を選ぶことができます。対照的にインターネットでは、不要な広告や通知に煩わされ、検索、スクロール、クリックといった操作が常に求められます。現代の若者はネット上でも文字より動画を選択する傾向にあるそうです。しかし、動画は「読み飛ばし、斜め読み」に相当する行為が大変面倒で、結局同じ個所を何度も視聴してしまいイラっとすることになります。
もちろんネットにはネットならではの利便性はありますが、一方で、ハードコピーは、効率的かつ体系的な情報獲得において依然としてそれより優位性を保持していると考えられます。
ハードコピーは、デジタル時代においてこそ輝きを増す〝カミ(紙=神)メディア〟としての価値があると言えるでしょう……と歯科新聞さんをヨイショ!?
和田 主実