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日本歯科新聞
掲載日
2025/07/22

【日本歯科新聞】世界の歯科技工のデジタル化

 7年前、米国の歯科技工所を数軒訪問した際、大半の社長から「うちで働ける日本人の歯科技工士はいないか?」と聞かれました。内心、「日本でも足りていないのに……」と思いましたが、同時に歯科技工においても日本人が勤勉かつ優秀なことを実感しました。
 コロナ禍前は、年に数回、中国にある最先端の歯科技工所を視察し、そのたびに日本のデジタル化の遅れを痛感していました。

 コロナ禍以降は海外出張の機会が減り、また社長退任に伴い、海外視察は現社長以下担当社員に委ねています。そのため、近年は海外の歯科技工事情を把握できていませんでしたが、昨年末に5年ぶりに訪中し、加工のみならず、工程管理、検査、検品、運搬まで自動化が進んでいるのを知り、あらためて日本のデジタル化の遅れを再認識しました。

 中国では10年ほど前から、街角で肉まん1つ買うのも現金だと店員に嫌がられ、自動販売機は二次元コード決済のみ、タクシーもアプリでしか呼べないなど、社会全体のデジタル化が急速に進展しています。
 昨年末の中国滞在時に宿泊したホテルでも、ルームサービスはすべてロボットが担当。エレベーターの真ん中に堂々と鎮座し、昇降します。人間を感知して避けて通る機能を備えているものの、われわれ宿泊客側が近寄りたくないので隅っこに寄ります。もはやどちらが客かわかりません。

 ここ数年で歯科技工の労働環境は改善されていますが、少子高齢化による絶対数の減少で、機械化は必須です。審美性と機能性のバランスなど感性の造形部分が機械に代替されることは当面考えにくいものの、中国やインドのような急激なデジタル化の動向には注視を続ける必要があります。
 
 歯科技工士のみなさんはデジタル機器を扱うための知識を身に付けることで、ますます仕事は楽しく、やりがいを見出せます。歯科技工を転職ではなく、天職にしていただきたいです。

和田 主実

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