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日本歯科新聞
掲載日
2025/11/04

【日本歯科新聞】アクセシビリティ

 この原稿はMicrosoft Wordで書いていますが、最近、画面下に「アクセシビリティ:検討が必要です」という文字が出てきます。「見出しのない文章」や「読み取りにくいテキストのコントラスト」など、こちらが機嫌よく作文しているのに、機械がいちいちダメ出ししてくるのです。

 近ごろは、エレベーターに乗った時に少しドア寄りに立ちすぎるとブザーが鳴ったり、「扉から離れてください」と指示されたりします。「ちゃんと見ているし、これだけ離れていたら十分でしょう」と怒ったからといって、エレベーターがひるんで「仕方ないですねぇ~、今回だけですよ」と言ったりはしません。

 多くの仕事と同様に歯科技工の仕事においても、作業時間の長さよりも判断の質が重要だと感じています。高品質な成果は、コストに比例することはあっても、必ずしも時間に比例するわけではないのです。

 歯科技工の要で、最もクリエイティブな部分でもある「設計・造形」作業においても、最近はAIが導入され始めました。人工知能が作る造形作品は、より多くの人が納得する平均値で作られ、アクセシビリティが高い結果となるのかもしれません。しかし、臨床の現場で求められるのは、ドクターを介して患者さん一人ひとりのニーズを叶えるという複雑で繊細なプロセスです。そのためには、ドクターとのやり取りにおけるコミュニケーション能力が非常に重要です。

 企業形態の歯科技工所には営業員が介在します。一見、伝言ゲームのようにミスや誤解が生じやすいとも受け取られますが、一般的に営業員はコミュニケーション能力が高く、そのスキルと経験値によって物事がより円滑に運ぶ傾向にあります。

 先生方にはぜひ、(カスハラにならない程度に)言いたいことを率直に営業員にお伝えいただきたいと思います。人間の営業員なら、たまには「今回だけですよ~」と言うかもしれません。

和田 主実

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