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【日本歯科新聞】さじかげん (154)「偉い人」

 最近はあまり聞かなくなったが、「末は博士か大臣か」という言葉がある。子供の将来に期待を寄せて言われるものだが、多くの場合、世間の波にのまれ、言葉通りにならないのが現実だろう。

 だが立ち上がる人物はいるもので、それは本人の志の強さなのだと思う。歴史からみても実力を持つ者が世を牛耳るのが習わしだが、今の世の中はヘンに平等が叫ばれて人々の感覚がおかしくなっている。

 国会議員に立候補するような人物はその下積みだけでもすごいのだが、選挙でX万票を獲得するような議員が地方の会合に出席していても誰一人寄りつこうともしない。考えてみれば昔と様変わりして世間が偉い人だらけになっているのかと皮肉な目で眺めてみるが、いったい世の中で偉い人とはどのような人をいうのか。

 博士号をお持ちの先生も、優秀なスタッフを育てる先生も、10日間医院を空けても支障なく診療がまわっていく医院の院長先生もみんな立派で偉い。

 ではわれわれの技工業界ではどうか。歯科技工所は技術が命だが、秀でた技を持つ人が周りからあの人は偉いと尊敬されるとは限らない。何かが必要なのだろう。最近はこう考えるようになった。

 偉い人とは自分の仕事で周りの人々や社会を幸せにする人だ。しかしひとかどの仕事を成すには必ず周りの協力が必要となる。だからこそいつも周りに対する感謝を忘れない。感謝の気持ちを忘れないから“ありったけ”を伝えて決して独り占めしない。仕事の中心となる自分の存在と責任を自覚しているから両親と師匠への感謝を忘れない。つまり「偉い人」とは、「本分を全うし始末をきれいにする」という一本の柱を持った人間であると言えるのではないか。

 政治や仕事の真ん中にこの「偉い人」がいなければ、これから先、海外相手に勝ち残れない。(W/W)

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