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【日本歯科新聞】さじかげん番外編 「6028・健康寿命の延伸」

鰐淵正機
(和田精密歯研取締役)

 歯科医院経営セミナーに歯科技工士が講師として参加するケースが出始めている。歯科技工士がクリニックの運営に積極的に加わることが歯科医療の価値を向上させるヒントになるのかもしれない。

 福島県開業の塩田博文氏が「6028運動」を提唱している。平成元年に始まった8020運動は、80歳で15、16本の歯が残っているとの成果を上げている。一方で、欠損補綴患者の増加も無視できず、だからこそ60歳になったら全ての欠損部位を補綴して28本にしようというのが「6028運動」の趣旨だ。この提唱は、われわれ歯科技工士にとっても非常に興味深い。

 平成23年に国が開始した活動に「スマートライフプロジェクト」というのがある。厚労省、自治体、一般企業が一体となり、それぞれの分野で健康寿命の延伸を目的とした取り組みを行うものだ。健康と歯の関係性は既に社会の常識として認知されている。

 歯数が多い、または義歯による機能回復をするほど認知症発症が少ない。歯の残存数が多いほど長生きできる。歯を失い、義歯を使用していないと転倒のリスクが高まるなどといった数値がデータで示されている。

 あるデータでは70歳を超えると歯科の受診率が極端に下がるという。世界に冠たる長寿国日本が、健康寿命の最たる国でもあるために、人生の一区切りとなる還暦を迎える時には義歯でもインプラントでも一度歯を28本にリセットすることを推奨したい。ここに歯科技工士も健康寿命の延伸に貢献できる活路を見い出せる。補綴を受け持つ歯科技工士の積極活用は歯科のエネルギーとなる可能性が大きい。

 本連載を再編集し、歯ART美術館の写真も加えた「歯科人のぬり薬」(日本歯科新聞社)が先月出版された。好評につき、皆さまにもぜひご一読いただきたい。
(W/W)

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