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【日本歯科新聞】さじかげん番外編 「システム化の課題」

鰐淵 正機
(和田精密歯研取締役)

 ガイデッドサージェリーが出始めた当初、「あれは使ってもずれるから駄目だ」と厳しい評価を受けた。しかしある講演会で「システムとしてはでき上がっているがヒューマンスキルによって成否を分かつ」という話を聞いて、システムを使うのは人間なのだとあらためて認識した。

 補綴物の製作にデジタル化が進み、生産効率がアップして、比較的経験の浅い技工士がデザインをしても美しい透明感を有するセラミッククラウンができる時代となった。

 しかし、でき上がったクラウンを注意して見るとデザインを担当する技工士の臨床経験の未熟さがそのまま再現される形となっているものも散見される。パソコンのデスクトップを見ているだけで頭の中に3次元的な動きを映し出してデザインに反映させるには相当な能力と知識が要求されるだろう。クラウンの咬合は上下の模型を手に持ち実際に動かしてみて調整してきたものだが、今の技工学校の新卒者はCAD業務を志望してくる時代になっている。

 だからこそ経験豊かな技工士も一緒になってデザインの技術を学ぶ必要がある。自分の手で造形をしてきた技工士はデスクトップ上の画面と頭の中に展開する次元的造詣をミックスできる可能性が高い。これがスキルというものだ。

 補聴器やメガネを作った経験のある方はお分かりになるだろうが、事前の検査は完全にシステム化されており、歯科界においても可能性がある。ほとんど誰もが自分用のメガネや補聴器を毎日使って不便はない。そう考えると義歯作りももっと簡単にシステム化できないだろうか。口腔内スキャナーができた今、やはり咬合がキーポイントになるのだろう。

 そのうちもっと技術が進み、まったく違った業種から人工知能で作られた自動咀嚼義歯なるものが登場するのではなかろうか。
(W/W)

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