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【日本歯科新聞】さじかげん【番外編】「歯科技工所のサービス」

鰐淵 正機
(和田精密歯研常務取締役)

 アメリカの大手歯科技工所のレポートを聴いた。効率的な業務形態は勉強になるものが多い。

 作業現場ではデジタル化を徹底するため、適正がないと判断されたスタッフは解雇ではなくカスタマー部門での顧客対応を任される。それは二段階システムで、最初の窓口は歯科衛生士のライセンスを持つ人。さらに、必要に応じて熟練の歯科技工士が対応する。長年の経験値がここで生きてくる。組織的な活動は組み換えるだけでもずいぶんと効率が良くなる。

 今年の夏の甲子園は秋田県勢の活躍が話題をさらった。彼らの健闘をたたえる声と同時に、高校生投手が一人で連投するのは身体的に問題とされ、一定のルールづくりが必要との意見が出ている。しかし当該チームの監督はルールを定めると、部員数の少ないチームは試合ができなくなると反対を表明。前述したラボの組織構成は、ある程度の人数がいるからこそ実現可能で、そう考えると歯科技工所はチームで運営する方が効率的といえる。

 経営コンサルタントの方によると世の中の業種業態には6万拠点の法則なるものがあって、約6万軒を境に業界再編が進み、いくつかの大きな系列にまとまる。コンビニエンスストア業界の再編は完了し、住宅、ガソリンスタンド、ドラッグストア業界も進行中、しかし歯科医院は独立開業のため6万軒を超えても再編が進まないという。

 あらゆるモノがインターネットでつながる時代、IT革命は、今や第4次産業革命と呼ばれている。ある歯科技工所オーナーの「これからの時代は歯科技工がデジタル技術やAIに取って代わられるという不安を持つよりも、われわれ歯科技工士はそのすき間を完全に埋めるような人間の働きをつくり出していけばよい」という言葉に感銘を受けた。希望の灯がともったように感じられた。
(W/W)

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