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【日本歯科新聞】さじかげん (170)「新卒採用コスト」

 今の日本はさまざまな業界で〝人財不足問題〟を抱えている。歯科技工所の担当営業も「代診の先生を探しているのだけれど……」、「仕事を探している歯科衛生士さんはいらっしゃいませんか」などとよく声をかけられるが、タイミングが合わない限り、そうそう紹介できるものでもない。同様に歯科技工士の中途採用もなかなか厳しいものがある。

 歯科業界の就職についてはまだまだ「人対人」で成り立っている面があるが、他業種では新卒採用にどれほど費用がかかるかを調べてみると、採用コストの現状が見えてくる。

 かつて仕事を探す時、就職に関する情報は人づてや自らが行動して得たが、それを就職情報誌が手伝った時期を経て、インターネットが普及した現代は情報収集がとても楽になった。しかし、それは逆に人を求める側にとっては費用がかかる結果となる。一概にはいえないが、一般的に新卒採用のコストは平均で50万~200万円かかるとされる。早々に退職者を出しては、かかった費用も水の泡なのだ。

 人材確保のために歯科医院の院長先生に従業員の給与を時給換算して100円でもいいから上げてもらえないかと訴えたことがあったが、今や時給が1千円を超える飲食業界でも人手不足で操業すらままならないといわれる。土日休みで、夜は遅くならないという条件の職場に就職希望者が集中しているとの現実は働く側からすれば当然のことだろう。また、退職積立金も必須である。

 ある歯科医院が診療時間を思いきって午後5時までで切り上げたところ、院長先生いわく、逆に素晴らしいスタッフがそろったと聞く。おかげで自分自身に心と時間に余裕ができたと話していたのを思い出す。当然のことだが、お金がかかった割に良い人材に恵まれないと愚痴をこぼす前に自らのシステムも見直さなければ発展は見込めないだろう。

 もはや新卒採用は投資といえるのだ。(W/W)

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