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【日本歯科新聞】さじかげん(174)「働く対価」

 新年度になり、ひと月が過ぎた。就職して最初の給料を受け取った歯科界の新人諸君に伝えたい。社会人として自分が選んだ仕事で初めて手にした給料を大切にしてほしい。

 新入社員の給料は高くはないと思う。それは、新人は勤め先での仕事の実績がなく、生産性もまだ低いからだ。仕事は信頼の積み重ねといってよく、頑張ったのにこれくらいの給料なら他に転職しようと考えるのも自由だが、転職先でも実積ゼロ、信頼ゼロからのスタートなので、結果は同じになるだろう。

 欧米では同一労働同一賃金がうたわれて社会に浸透しつつある。これは一言でいえば、職種、仕事に値段がついている仕組みで、同じ仕事をしている人が性別、人種などを超え、ほぼ同じ給料であるべきという考えだ。日本でも政府が同一労働同一賃金を推し進めようとしているが、現状での給料は職責や職務、年功、能力、成果といった評価項目で、その人ごとに給料が決まる傾向がまだまだ根強い。

 歯科の仕事は技術的要素が多く、昨今はコミュニケーション能力も求められるようになったが、新人に限らず常に学び前進しようとする姿勢こそが本人の信頼の積み重ねとなるのではないか。月並みな表現だが、職場では出世をした方がよい。それは人を出し抜き、偉くなることではなく、どこの職場でも信頼を積み重ね、より大きな仕事が任せられることによって責任も大きくなるという意味だ。それによって、給料も増え、世の中への貢献度も大きくなる。

 働く対価は給料だけではない。信頼の蓄積が将来の自分を支えると心に留め置くべきだ。仕事は自分一人では成し得ないから周りの人たちとの信頼関係が大切となる。現代の企業は時短や生産性が求められる傾向にあるが、大事なのはこの荒波の中でも自分の生き方を見つけて慌てずに心を整理することだ。そのために最初の給料は自分に投資してはいかがだろう。(W/W)

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