鰐淵 正機
(和田精密歯研 常務取締役)
友人知人、先輩後輩、同僚などと酒を飲んだり、食事をしたり、趣味や娯楽に講じるのが普通の日常だった。しかし、ここ1年でそうした暮らしや仕事の有り様は、全て、新型コロナ感染予防を基本とした「ニューノーマル社会」に変化した。
歯科技工はリモートワークの実現に厳しいところがあるものの、従来あった学術大会や講習会はWeb形式が定着してきたようだ。そしてコロナ禍での2回目の春が来た。
すでに今年の歯科技工士国家試験は終わったが、このところは採用面接もリモート形式で行われるようになり、逆にそれが地元でリラックスしている学生さんや教務の先生の様子も伺う結果となり、良い印象となった。
それは、我々の対応もさらけ出すことになるのだが、とにもかくにも新年度に向かって新しくスタートを切るみなさんにとって期待の春にあるのは間違いないだろう。
以前、新卒技工士の5年離職率の衝撃的な数字が話題となった。数字だけが強調されると歯科技工業界は頽れるものと誤解を招きかねないので心配になった。
そこで独自に調査してみると、実質的な5年離職率は30%を切っていた。これは世の一般企業と変わらないレベルということを認識すべきだといえる。
歯科業界の異業種交流会に参加させていただく機会がある。同じ歯科業界でも職種ごとの発想を学ぶことは、歯科のトータルな視点からのアプローチに気が付くので、とても勉強になる。
それだからこそ、この春に歯科界デビューをする方には、業界異業種の方々との親交をお勧めしたい。歯科業界はある種特殊なだけに長年スキルを積んだ“人財”は業界のために必要といえる。そして、この春にリスタートする歯科人の方々にも心からのエールを贈りたい。
(W/W)