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【日本歯科新聞】さじかげん (138)「エンプロイサービス」

 30年ほど昔になる。日時の記憶は定かでないが、IT時代の幕開けとして知られたアメリカ・シリコンバレーを訪問した時の話である。

 シリコンバレーの各社で初めて「CD」を見せていただいた。これからは音や映像の記録はカセットテープやビデオテープに代わり、このディスクが主流になると言われ始めていた。

 訪問した工場内にはエンプロイサービスルームがあり、Tシャツや歯ブラシなどの日用雑貨を社員に無料で提供していた。「日本の会社もこうなる日は遠くない」と確信し、帰国してから早速、当社の人事部門にその充実を促した覚えがある。

 しかし、最近、当社の社員食堂に行ったところ、かつてアメリカで見たようなポップコーンやコーヒーなどの飲食物がいまだに充実していないのに気付いた。確かあちらでは、目を洗う設備まであったのにと意識してよく見てみると、食器や卓上の一輪指しなども全く不備で、戦後すぐの学校給食的なイメージである。

 周りでは体脂肪計で知られるタニタ社の社員食堂が注目され、そのレシピ本が何百万部も売れる時代だ。社員のための食堂はもっと充実していても良いのでは?と改善の必要性を痛切に感じた。

 ところで経営とは、従業員へのサービスの充実、すなわち遊びに行ける保養所やレジャー施設も当然デザインしなければならないが、日常の健康増進の設備投資は業務用の投資以下になりがちなのが実情だ。

 上司がサラリーマン的な意識から脱皮しない限り、エンプロイサービスも充実してゆかない。そういう職場にこそ経営理念が生きてくるのだから。

 お釈迦様も八正道の一つに「正念」(正しい気付き)を唱えている。経営をこの新しい視点から捉えることができれば、またさまざまな可能性も見えてくるのではないか。

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