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【日本歯科新聞】さじかげん(150)「セカンドオピニオンの重要性」

 医療人として自分の治療を信じ切るのは当然なのかもしれないが、人として他の方法もあるのではないかと悩むのはごく自然なことだろう。

 かかりつけの主治医への信頼性とは別に、自らが思う治療を選ぶ時代となっている。学術や知識からみれば、医療は受ける側と提供する側の情報差が大きすぎる。それ故にさまざまな法規制があり、あらゆるコミュニケーションが必要とされている。

 昨今は歯科大学病院でもセカンドオピニオンを受け入れる体制ができているが、それには法的にも倫理的にも十分に配慮がなされなければならない。

 それだけ人間の心理において微妙な問題に発展しかねない可能性があると予想されるからで、患者の思いは納得、否定、妥協、迷いと人それぞれなのだろう。

 歯科治療についてもここに来て、相談を持ちかけられる機会が多くなっている。

 世の中は情報に溢れ、患者は歯科医院に行く前からインプラントや矯正について調べている。だが、詳しくは知らない。自分にとって合うのかどうかもわからない。

 セカンドオピニオンの前にはファーストオピニオンがあるのだが、意識のある患者だからこそ知りたがる。

 本来のセカンドオピニオンの考え方とは少しニュアンスが違うだろうが、どうやって「第二の意見」を紹介するかは歯科医療の信頼につながる重要なポイントとなる。

 歯科人はその点に目をつけてはどうだろうか。要するに患者はいろいろと相談したいのだ。

 コミュニケーションの輪を外にも広めて、それが大きければ大きいほど世の中に対する価値が高くなる。現代はマスコミだけでなく価値を認めた個人が世界中に情報を発信できる時代になっている。

 インフォームドコンセントによる修練の成果が期待される。(W/W)

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