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【日本歯科新聞】さじかげん (165)「理念ある経営」

 日本歯科技工所協会主催の「2015ラボオーナーズサミット」が6月27日に開催された。このサミットは歯科技工業界が抱える諸問題を歯科技工所の経営者が集まって討論するもので、業界の抱える根本的な問題について競合他社が皆で話し合うという誠に素晴らしい機会だった。今回が初の試みにも関わらず、全国100社を超える歯科技工所から200人以上の参加者があったのは問題に対する意識の高さを証明するものだ。

 長時間労働、社員の定着率、経済面改善などが主なテーマだが、歯科技工所が自分たちの苦しい状況を訴えるのではなく、これから歯科技工士を目指そうという若者をいかに増やしていくかが目的となっている。そのためには「ものづくり」の発想自体を変えていくと同時に、理念ある経営を今一度考えてみることがカギとなるようだ。

 ひと言に「理念」といってもたやすいことではない。自社や業界だけが繁栄するような意味を含む「理念」は社会全般には受け入れてもらえない。未来を見据えながら最も大事にすべきは、毎日仕事を共にし、日々頑張っている社員たちであることを経営者は忘れてはならない。

 歯科技工士は技術で相手を判断する傾向がある。しかし仕事は人の器でするものだ。要は患者さんが歯科治療で得る幸せの大きさこそがわれわれの仕事の目指すところであり、良い仕事をした時には、物ではなく、その補綴物を担当した技工士を大いに褒めるべきであり、素晴らしい治療をされた先生を称える。このあたりに経営理念のヒントがあると考えている。

 「昔入れた金属床のおかげで今も良いらしい」などと社長がお福分けを語ると社員の目の輝きが増す。技術は患者さんの幸せの大きさのためにこそ必要で、「仕事をせめても人をせめるな」という言葉もある。「はじめに人ありき」だと言える。

(W/W)

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