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【日本歯科新聞】さじかげん番外編 「学術大会の大会長」

鰐淵正機
(和田精密歯研取締役)

 歯科技工士にとって精巧で確かな技術力が必要なのは当然だが、ほかにも求められる能力がある。例えば、今の治療と患者さんの背景を想像する力や情報を的確につかむ力だ。歯科医師との共同作業となる補綴技工では、歯科技工士はハードルは高くとも歯科医師と同じ領域を学ぶ必要がある。さらに素晴らしい歯科医師との良き出会いも必須と言える。

 今年7月9、10の両日に函館市で第21回日本咬合学会学術大会「咬合から全身健康・美容・アンチエイジングを」が開催される。同学会の理事長は大阪大学名誉教授の丸山剛郎先生で、「咬合」がテーマとなる。私もこの学会で学ばせていただいて約10年が過ぎる。

 われわれ歯科技工士にとって咀嚼機能を有する補綴物の製作こそ最重要課題である。実際に咀嚼運動を細かく分析した理論で製作された補綴物は、患者さんにセットすると「こんなに口の中で食べ物がドロドロになるとは思わなかった……」と言われる。こうしたことからも歯冠形態や歯列弓の形、どれ一つをとっても全てに意味があると分かる。

 咬み合わせと健康との関係性の概念は既に国民に浸透してきている。また最近はアンチエイジングという意識も高まりつつある。さらに最新の研究では、咬み合わせと脳の深い関係性も証明されている。

 平成23年度から厚労省が推し進めている活動にスマートライフプロジェクトがある。国、自治体、民間が一体となって健康寿命を延ばそうという活動で、歯科の貢献度は高いとわれわれ歯科技工士も気付くべきである。

 私事だが、このたびの日本咬合学会学術大会で、名誉ある大会長という大役を拝命した。歴史ある大会で歯科技工士が大会長を務めさせていただく光栄と恵まれた環境に感謝するとともに歯科医師の先生方と同じ領域を学ぶ大切さを再確認している。(W/W)

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