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【日本歯科新聞】さじかげん(183)「『笑顔の向こうに』見えるもの」

和田 弘毅 

 歯科界も極端な歯科技工士不足や歯科衛生士の人材不足による需要と供給のアンバランスが危機感を強めてきた。先日、新幹線に乗っていると、電光掲示板に映画「笑顔の向こうに」の広告が流れた。

 この映画は「8020運動」30周年記念事業として日本歯科医師会の全面協力で製作されたもので、歯科技工士と歯科衛生士の仕事に対する理解と、人材不足を解決したいとの思いが込められている。

 特に歯科技工士については、若手の希望者が少なく、歯科技工学校の入学者も減少し、閉鎖する学校が相次いでいる。

 歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士は、半世紀以上デンタルファミリーとして関係性を深め、歯科医療を通した国民の健康の維持、増進に努めてきた。そして国民の理解と合意を得るため、1997年の医療法改正で法律として初めて明文化された「インフォームドコンセント」にも積極的に取り組んできた。

また「8020運動」では、具体的な患者のニーズを模索し続け、今では長寿化が進み、咬合が全身へ影響するのが明らかになりつつある。

 さらに義歯製作では何十年も要求され続けてきた「よくフィットする適合」が当然のものとなり、どう動くか、どことどこが接触するのか、それによる他の臓器への影響も見え始めている。

 現在、マウスピースから始まったテンプレート療法はスタビライザー口腔内装置となり、矯正を含めた咬合運動のガイドとして予想以上に機能を発揮しているといわれる。

 また、咬合の可視化もそこまできており、大変喜ばしい限りだ。コストは従来の保険診療の報酬では到底まかなえないが、こうした新技術が極端に安い保険診療報酬の適正化につながればよいと期待している。

 「笑顔の向こうに」見えるものは、デンタルファミリーだけではなく、国民の健康と幸福でなければならない。

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