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【日本歯科新聞】さじかげん【番外編】「武将の歯は語る」

鰐淵 正機 
(和田精密歯研常務取締役)

 口腔機能低下症は、2018年4月の歯科診療報酬改定で新たに疾患名が付き、保険収載された。フレイルから要介護になる前の段階にあたり、症状の改善を図り、口腔機能の回復を目指す。

 2019年の政府の骨太方針には「生涯を通じた歯科検診、フレイル対策にもつながる歯科医師、歯科衛生士による口腔機能管理など歯科口腔保険の充実…」と追記され、国策の真ん中で歯科健診の重要性が説かれている。今後は口腔機能の管理、維持・改善に主眼が置かれるようになるのだろう。

 口腔機能低下症は高齢者の問題だと捉えがちだが、実は40歳代で4割が該当するという調査結果もあり、実情と自己意識の差が指摘されている。昔から老化は目と歯からと言われるが、ちょうどこの年代から症状を自覚し始めるので、これからは40歳を最初の区切りとして一度すべての歯をメンテナンスするのも良いのではないか。

 歴史番組で京都豊国神社蔵の太閤秀吉の歯が紹介されていた。最後に残った歯が抜けた時、家臣に贈ったとされる「豊太閤御歯」。左上7番。専門家の研究では表面全体が歯垢で覆われて、すでに周りには歯がなかったとされている。

 太閤殿下の上下の石膏模型が想像できて面白い。天下取りも歯かないものだ。また真田幸村が40歳半ばで残した書状には、近ごろは歯も抜け落ち髭も白くなりとあるらしい。名だたる戦国の武将たちもお口の事情には困窮していたに違いない。

 加齢と歯の問題はいつの時代もあるのだ。以前、訪問診療をされる先生の「これからは簡単に外れる義歯が必要だ」という言葉を感慨深く聞いた記憶がある。

興味ついでに調べてみると芭蕉にも歯に悩む句があった。

「おとろえや歯にくいあてし海苔の砂」

 行こう!歯科健診。
(W/W)

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