SUPER
TECHNICIAN
スーパーテクニシャン(歯科技工士紹介)

ドアンティ トウイチャン DOAN THI THUY TRANG
歯科技工士を目指したきっかけ
小さいころからものづくりに興味があり、「将来は医療機器を製作する仕事に携わりたい」という夢を持っていました。
大学では車いすや、震災時の悪路を走行して生存者の捜索をおこなう車両の制御など、機械工学分野について学びました。
しかし、卒業の年に東日本大震災が発生。予定通りに就職できず、将来に不安を感じていました。
そのような状況の中、先輩から、医療に関わる仕事として「歯科技工士」という職業を教えていただきました。
オープンキャンパスで技工学校を見学してみると、補綴物を始めから終わりまで自分の手一つで仕上げられることに新鮮な魅力を感じ、入学することを決めました。
歯科技工について学ぶ中で、「人の役に立つ仕事に携わりたい」という気持ちが一層強くなり、また、「食べる」という生活の質に直結する歯科技工の重要性を深く知り、この道に進むことを決意しました。
入社当時の思い出
初めに勤めたのは東京都足立区のデンチャーラボでした。
来日してから8年、ようやく社会人としての第一歩を踏み出し、働くことへの期待に胸を膨らませていました。
しかし、保険中心のラボであったため仕事量が多く、朝7時半から夜11時過ぎまでの勤務で、休みは週に1回という厳しい環境。
休日も研修などで忙しく、洗濯や掃除をこなすだけで精一杯。自分自身を振り返る時間もないまま一週間が過ぎていくような生活でした。
このまま働き続けることは難しいと感じ、退職してベトナムへ帰国しようと考えるようになりました。
その後、帰国を決意し、盛岡や新潟、名古屋など各地でお世話になった方々へ挨拶に伺ったのですが、
そこで当時当社の常務であった樋口氏にお会いしました。
その際に樋口氏から「もう一度、歯科技工をがんばってみませんか」と声をかけていただき、その言葉に背中を押される形で和田精密歯研で再スタートを切ることになりました。
スーパーテクニシャンを目指したきっかけ

生産本部へ異動してからは、大学や研究支援の業務を担当しており、高い精度と再現性が求められる技工製品を製作しています。
これらを次世代へ継承していくためには、長年培われてきたアナログ技術をデジタル化することはもちろん、自分自身の技術習熟度を客観的に見つめ、高めていく必要があると感じ、スーパーテクニシャンの資格取得を目指すことを決めました。
資格取得に向けては、半年間、湯沢さん、上土井さんとともにセミナーへ通い、互いに励まし合いながら、集中を切らすことなく学習に取り組みました。
また他社の歯科技工士の方からも刺激を受け、周囲と高め合うことの大切さを痛感しました。
今後はこの経験を活かし、より安定した品質の提供と技術力向上に努めていきたいです。
歯科技工士になってよかったと思う瞬間、エピソード
デンチャーを希望して入社したのですが、実際に担当したのはCAD業務でした。
私は、同じ作業を繰り返すことがあまり得意ではないため、同じ設計でも新しい機能を試すなど、常に工夫を加えながら業務に励んできました。自分なりに考えた方法や設計が形になったときは、大きなやりがいと喜びを感じます。
また、日本のものづくりに憧れて来日したこともあり、思うように進まないことがあっても、尊敬している先輩・上司の姿を思い出して、「一歩そして、もう一歩こだわろう」と自分に言い聞かせています。
大学で学んだ機械工学の知識はあまり活かせていないと感じていましたが、CAD/CAMが一般的になるにつれ役立つ場面が増え、これまでの学びは無駄ではなかったと実感しています。こうした経験を通じて自分自身が成長できることに、とてもやりがいを感じています。
さらなる目標、夢
デジタル技術は目覚ましいスピードで進化しており、その勢いはますます加速しています。
そのような中で私は、仲間たちと知識を共有し、急激な変化にも取り残されない環境づくりに貢献したいと考えています。
さらに、多種多様な器具や器材、CADソフトを扱える知識と技術も身につけ、どのような状況であっても最適な選択ができる歯科技工士であることを目指します。
私は人前で話したり、伝えたりすることはあまり得意ではありませんが、日々の業務を通じて理解を深めたことや学んだことを、自分だけのものにせず、周囲にも分かりやすく共有できるよう努めていきたいと思います。
そして、いつかは日本で習得した経験をベトナムでも共有し、誰かの夢や挑戦を支えられるような存在になりたいです
休日の過ごし方
小学生の息子と娘の習い事を中心に過ごしています。
子どもたちには体を動かすことに対して苦手意識を持ってほしくないという思いから、水泳や剣道、ダンス、地域のイベントなどさまざまな活動を経験させています。
その中で、自分に合ったものや好きなことを見つけてほしいと考えています。
特に剣道は、保護者が運営する地域密着型のクラブに所属しています。
活動を通じて運営の難しさを学ぶとともに、子どもたちの成長に関する悩みや喜びを保護者同士で共有できる環境にも支えられ、充実した時間を過ごしています。また、剣道を通じて日本の文化や礼儀作法を学べる点にも魅力を感じています。
こうした経験が日々の仕事への向き合い方にも良い影響を与えてくれていると感じています。


後輩やこれから歯科技工士を目指す方々へメッセージ
私は大学3年生のときに、老人ホームで1カ月間のインターンシップを経験しました。
そこで出会った方々は、これまでの人生についていきいきと話してくださる一方、「もっと社会に貢献したかった」と話される方も多くいらっしゃいました。その姿は、これから社会人になる自分にとってとても考えさせられるものでした。
この経験を通して、やりたいと思ったことには早めに挑戦し、後悔のないように行動することの大切さを学びました。
若いうちはさまざまな経験を積み、多くの失敗をし、自分に合った生き方を見つけてほしいと思います。
現在、歯科技工の分野も大きく変化しています。
口腔内スキャナやCAD/CAMの発展に加え、今後はAIやVRなどの技術も取り入れられ、仕事の内容もさらに広がっていくでしょう。従来の歯科技工技術に加えて新しい分野にも関心を持ち、変化を前向きに捉え、楽しみながら学び続けていくことが大切だと思います。
一方で、ものづくりの技術は習得に時間がかかるものです。
だからこそ、日々の積み重ねを大切にし、将来振り返ったときに「この仕事を選んでよかった」と思えるよう一緒にがんばっていきましょう。
PRODUCT 歯科技工物紹介
CAD/CAM WORK

PROFILE プロフィール

生産開発部
ドアンティ トウイチャン(DOAN THI THUY TRANG)- 1986年
- ベトナム中部ダナン市 出身
- 2005年
- 日本へ留学 盛岡情報ビジネス専門学校 日本語学科 入学
- 2011年
- 新潟大学 機械システム工学 卒業
- 2013年
- 東海歯科医療専門学校 歯科技工科 卒業
- 2013年
- 和田精密歯研株式会社 入社
- 2026年
- スーパーテクニシャン 認定
所属学会
- 日本口腔インプラント学会
主な論文発表
- 2026年2月
- 月刊「歯科技工」への執筆
2026年2月分 vol.54 no.2「本症例における3Dプリント模型の設計・製作の実際」
主な学会発表
- 2025年10月
- 第55回日本口腔インプラント学会学術大会学会
「スキャンボディ非対応インプラントに対する光学印象法の新提案」














