もちろん吸着がないと読むべきです。しかしながら、その吸着がないことが適合不良ではなく、咬合関係に問題があってそうなることも結構あります。また、排列位置がニュートラルゾーン内ではなく外側であるためということもあります。
この落ちるということで、一番考えなければならないのは上下咬合関係の不適です。もちろんこの不適をキャンセルするのは、リマウントで軟パラをすることで「咬合関係が良くなり落ちなくなりました!」という話をよく耳にします。
したがって、落ちる対応はリマウントを忘れずに、もちろん適切な咬合を再現し、床外形を変えリライニング、という丁寧なトライもしてみましょう。
私はポストダムを形成していますが、その部位に当たりが出たという経験がほとんどありません。2㎜以上削ることがないからかも知れませんが、トラブルは少ないです。
このポストダムは、重合変形の補正という効果もあるのか、吸着できなくなることをフォローするという意味で役立ちます。
【ケース1】
リライニング、リマウント等を何度おこなってもあまり改善せず、上顎義歯の脱落が続いていました。
新しく製作するにあたっては、ニュートラルゾーンを考慮して歯列弓を内側へ変更することで落ちなくなりました。
【ケース2】
FDにおいてのポストダムの作製法について説明します。
この様に面的に付与することによって、上顎義歯の吸着を求めることができます。幸い当たりを経験することはほとんどありません。