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【日本歯科新聞】さじかげん【番外編】 「女性歯科技工士」

鰐淵 正機
(和田精密歯研常務取締役)

 平成26年の厚労省の調べでは、全国の就労人口に占める女性の割合は42・9%とあった。日本歯科技工士会の資料では男性歯科技工士が約85%なので、女性歯科技工士の割合はまだ少ないものと思われる。当社の実績からいえば女性社員の割合は約30%で、概ね女性技工士の割合も近似値だ。

 歯科技工学校に行くと、女性の学生が多いと感じるし、教務の先生からはその優秀さを伺う機会も多い。企業ラボの男女の平均就業年数は、男性13年、女性約7年とその差は大きい。日本の社会習慣では結婚、出産、子育てなど様々な条件が重なることもあり、女性技工士の苦労が多いことは想像にたやすい。実際にその声を聴くと、仕事の時間帯から職場での人間関係まで多岐にわたるが、どれも単なる愚痴ではない。

 男女は平等だが、全てを同じく考えるのは違う。歯科技工業界に人を呼び込むのも大事だが、今いる大切な人財が流出しないようにするのも重要で、今後は女性技工士の在り方が鍵になる。

 最近、10年以上ラボを経営しているやり手の女性社長から「歯科技工は技術職だから男性であれ女性であれ、他を捨ててでも力いっぱい頑張らなければいけない時期がある。そこを怠けると仕事として成功しない」「歯科技工士を職人という感覚で捉えすぎている」という話を聞いた。確かに今はデジタル化が進み、職人域から少しずつ変わる段階にある。若い女性技工士の意見の中には、自宅で子育てしながらデザインするようになってこの仕事を続けたいという内容もあった。もはや実現可能である。

 五十年ほど前、歯科技工士をしていた母が夕食の後、片付けたちゃぶ台にアルコールランプを置いて人工歯配列の夜なべをしていた。幼い私は母の隣に座って誇らしい気持ちで眺めたものだ。
(W/W)

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